公益信託 サントリー世界愛鳥基金
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助成プロジェクト
2016年度助成プロジェクト
「鳥類保護団体への活動助成」部門(11件、2,000万円)
団体名 対象活動 助成額
(公社)
日本動物園水族館協会
神の鳥「雷鳥」を次世代に引き継ぐために
~ニホンライチョウの域外保全に向けた飼育繁殖技術の確立~
300万円
NPO法人
バードリサーチ
全国鳥類繁殖分布調査で日本の鳥の今を明らかにする 300万円
(公財)山階鳥類研究所 データロガーを用いたブッポウソウの越冬地解明及び減少要因の検討 200万円
(公財)日本自然保護協会 イヌワシの生息環境を向上するための狩場創出と人材の育成 200万円
NPO法人
どうぶつたちの病院 沖縄
飼育下繁殖により創出されたヤンバルクイナの野生復帰技術研究 200万円
日本雁を保護する会 蘇ったシジュウカラガン、その未来のために 200万円
コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル コウノトリの域外及び域内の個体群の保全に関する活動について 200万円
アジア猛禽類ネットワーク フィリピンにおけるサシバの密猟撲滅と保全対策の推進 170万円
NPO法人
オオタカ保護基金
山地に生息するサシバの生態解明と保護のための基礎資料収集 100万円
北海道海鳥保全研究会 『花の島』礼文島で希少海鳥(ウミガラス・ウミスズメ・ケイマフリ等)の繁殖調査 70万円
(公財)
しまね自然と環境財団
稀少種亜種アカショウビンおよびクロツグミの越冬地解明調査 60万円
(公社)日本動物園水族館協会
神の鳥「雷鳥」を次世代に引き継ぐために~ニホンライチョウの域外保全に向けた飼育繁殖技術の確立~
孵化に成功したライチョウのヒナ
孵化に成功したライチョウのヒナ

ニホンライチョウの保護増殖を目的に、環境省の生息域外保全計画に基づいて、平成27年度より人工孵化・育雛に取り組んでいます。平成27年度は乗鞍岳(長野、岐阜)で採集された10個の卵から9羽のヒナの孵化に成功し、3羽が成育しています。平成28年度以降も引き続き人工繁殖と飼育の安定化に取り組み、飼育繁殖技術の確立を目指します。

■活動地:ライチョウ域外保全プロジェクトチーム参加園館
■助成額:300万円

NPO法人 バードリサーチ
全国鳥類繁殖分布調査で日本の鳥の今を明らかにする
多摩川で鳥を観察する調査参加者
多摩川で鳥を観察する調査参加者

シマアオジ、モズ類のように、これまで普通にいたにもかかわらず急激に減少してしまった鳥がいます。こうした減少に早めに気づくには、日本に棲むすべての鳥の分布や数を把握し続けていくことが重要です。この活動は、全国の研究者や野鳥観察者が協力して日本の鳥の今を明らかにしようというものです。興味のある方は、ぜひご参加ください。

■活動地:全国
■助成額:300万円

(公財)山階鳥類研究所
データロガーを用いたブッポウソウの越冬地解明及び減少要因の検討
長野県でGPSロガーを装着したブッポウソウ
長野県でGPSロガーを装着したブッポウソウ

ブッポウソウの効果的な保護策提案のため、越冬地や渡りルートの解明を継続します。小型記録装置によって、西日本のブッポウソウの越冬地は主にボルネオ島であることがわかりました。東日本の個体には昨年初めてロガーを装着できたので、今年越冬地が明らかになる見込みです。また、今年は渡りルートも明らかにできる見込みです。

■活動地:長野県、新潟県、岡山県、鳥取県
■助成額:200万円

(公財)日本自然保護協会
イヌワシの生息環境を向上するための狩場創出と人材の育成
大学生を対象とした現地研修会
大学生を対象とした現地研修会

イヌワシの生息環境を向上する方法を開発するために、2014年9月からイヌワシが狩りをする環境の創出試験を進めています。2015年10月に成熟したスギ林を伐採して、狩ができる環境を創出したところ、2015年12月にはイヌワシが創出した狩場で獲物を探す様子が観察されており、今後の調査結果が期待されています。

■活動地:群馬県
■助成額:200万円

NPO法人 どうぶつたちの病院 沖縄
飼育下繁殖により創出されたヤンバルクイナの野生復帰技術研究

国内唯一の飛べない鳥であり、絶滅の危機に瀕していたヤンバルクイナは、マングースやノネコ対策が功を奏し、復活の兆しを見せ始めています。その一方で飼育下繁殖の取り組みも順調に進み、次なるステージとして、野生復帰技術の確立を目指しています。現在、サントリー世界愛鳥基金の支援の下で、着実にその技術を蓄積しているところです。

■活動地:沖縄県
■助成額:200万円

日本雁を保護する会
蘇ったシジュウカラガン、その未来のために
化女沼を飛び立つシジュウカラガン(宮城県大崎市、photo 池内俊雄)
化女沼を飛び立つシジュウカラガン(宮城県大崎市、photo 池内俊雄)

群れの渡来が途絶えてしまったシジュウカラガンの羽数回復を30年以上続けた結果、その数は2000羽を超えました。この鳥を再び絶滅に追いやらないために、多くの人にこの鳥が歩んできた道とその重要性を伝え、関心や理解を深めてもらうことが、重要になりました。これまでの取り組みを1冊の本にまとめ、啓発普及のツールとして活用します。

■活動地:宮城県
■助成額:200万円

コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル
コウノトリの域外及び域内の個体群の保全に関する活動について
放鳥個体発信機装着研修
放鳥個体発信機装着研修

国内では、1971年に野生下絶滅したコウノトリは、関係者の努力により、1988年に繁殖に成功。以降数を増やし、2005年、兵庫県で野生復帰を果たしました。今後も、生息域内・域外が連携して保全に取り組むため、関係機関・施設は、2013年に「コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル」を結成。さまざまな取り組みを行っています。

■活動地:全国
■助成額:200万円

アジア猛禽類ネットワーク
フィリピンにおけるサシバの密猟撲滅と保全対策の推進
観察方法の実習
観察方法の実習

フィリピンは日本で繁殖する絶滅危惧Ⅱ類のサシバの越冬地ですが、地元住民による密猟が現在でも行われており、昨年度の現地調査よると、春の渡り時期に毎年3,500~5,000羽が殺されていることが判明しました。このため、地元の大学生を主体に密猟の監視と渡りのモニタリング調査を実施し、密猟の根絶とエコツーリズムの推進を図ります。

■活動地:フィリピン
■助成額:170万円

NPO法人 オオタカ保護基金
山地に生息するサシバの生態解明と保護のための基礎資料収集
獲物を捕らえたサシバ(オス)
獲物を捕らえたサシバ(オス)

サシバは谷津田が卓越する里山環境が主な生息地とされてきましたが、水田がほとんどない山地にも生息することが近年明らかになってきました。今後、全国のサシバ保護のあり方を検討するためには、山地における生態の知見を得ることが必要不可欠です。そこで、山地に生息するサシバの繁殖分布や繁殖状況、餌動物について調査を実施し、山地に生息するサシバの生態解明を進めます。

■活動地:石川県
■助成額:100万円

北海道海鳥保全研究会
『花の島』礼文島で希少海鳥(ウミガラス・ウミスズメ・ケイマフリ等)の繁殖調査
礼文島海驢(トド)島での海鳥調査
礼文島海驢(トド)島での海鳥調査

私たちは北海道の海鳥繁殖地の保全のために、実態がわかっていない繁殖地を中心に調査を行い、希少海鳥を中心に生息状況を明らかにしています。また、北海道各地で行われている海鳥調査の記録を会報誌やホームページから発信することにより、情報を共有し連携して保全に取り組むことに生かしています。

■活動地:北海道
■助成額:70万円

(公財)しまね自然と環境財団
稀少種亜種アカショウビンおよびクロツグミの越冬地解明調査
アカショウビンへのジオロケータ装着作業
アカショウビンへのジオロケータ装着作業

夏鳥として日本にやってきて、森の中でその美しい歌声を響かせているアカショウビンやクロツグミですが、じつは越冬地については詳しいことが判っていません。そこで、小型GPSロガーを鳥に装着して、保全に重要な渡りのルートや越冬地の解明を目指します。

■活動地:島根県
■助成額:60万円