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2023年度助成プロジェクト
「鳥類保護団体への活動助成」部門(10件、1,820.1万円)
団体名 対象活動 助成額
(公財)
日本鳥類保護連盟
奄美大島に生息する希少鳥類の調査・保護活動 313万円
(公財)
山階鳥類研究所
絶滅危惧種アホウドリの保全及び学術研究のための普及啓発活動 230万円
NPO法人
サロベツ・エコ・ネットワーク
発信機で明らかになる道北タンチョウ渡りと越冬地 229.1万円
Philippine Eagle
Foundation
(フィリピンワシ保護財団)
フィリピンミンダナオ島におけるフィリピンワシの感電防止対策と生物多様性に富む原生林の保全再生 221.1万円
(公財)
富山市ファミリーパーク公社
ヨウムの野生復帰を想定した繁殖技術の確立 208.2万円
(公社)
日本動物園水族館協会
ライチョウの中央アルプスへの再導入および生息域内保全に貢献するための飼育下保険集団の創出に向けた技術開発 207.6万円
日本野鳥の会
佐賀県支部
コウノトリ繁殖支援活動 150万円
NPO法人
NRDAアジア
長崎県におけるカンムリウミスズメの生息状況 91.9万円
水鳥研究会 コアジサシの水上営巣地への誘致と越冬地の解明 86.2万円
NPO法人
三段峡―太田川流域研究会
ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ 83万円
(公財)日本鳥類保護連盟
奄美大島に生息する希少鳥類の調査・保護活動
アマミヤマシギに装着したGPSの動作確認
アマミヤマシギに装着したGPSの動作確認

当団体は鳥類を始めとした野生生物の自然保護及び普及啓発活動を行っています。2023年度は奄美大島の希少鳥類であるアマミヤマシギとオーストンオオアカゲラの保全活動を奄美野鳥の会と協同で実施します。アマミヤマシギは奄美群島と沖縄島でGPSを装着し渡りに関する調査を実施、オーストンオオアカゲラは個体数調査とGPSによる行動圏調査、巣箱の検討を行います。

■活動地:奄美群島、沖縄島
■助成額:313万円

(公財)山階鳥類研究所
絶滅危惧種アホウドリの保全及び学術研究のための普及啓発活動
コロニーモニタリング
コロニーモニタリング

一時は絶滅が宣言されるまで減少したアホウドリですが、伊豆諸島鳥島や小笠原諸島聟島での懸命な保全活動の結果、現在は7,000羽以上に回復しました。さらに学術研究でも、鳥島と尖閣諸島のアホウドリが分類学上異なる2つの集団であるなど、重要な発見をしてきました。本活動では、これらの成果を幅広い層へ発信し、アホウドリの新たな保全施策やモニタリング継続の重要性を啓発します。

■活動地:東京都(聟島・鳥島)
■助成額:230万円

NPO法人 サロベツ・エコ・ネットワーク
発信機で明らかになる道北タンチョウ渡りと越冬地
タンチョウの背中に装着する発信機
タンチョウの背中に装着する発信機

私たちは北海道北部サロベツ湿原で、自然環境保全・環境教育活動を行うことによりサロベツ湿原の貴重な自然環境を後世に引き継ぐことを目指しています。2023年はサロベツでタンチョウ3羽を捕獲し発信機を装着することで、サロベツから冬季に道東地方等に渡るタンチョウの渡りや生態を明らかにします。そして活動報告会などを開催し、その成果を発表して普及啓発を行います。

■活動地:北海道
■助成額:229.1万円

Philippine Eagle Foundation(フィリピンワシ保護財団)
フィリピンミンダナオ島におけるフィリピンワシの感電防止 対策と生物多様性に富む原生林の保全再生
森林パトロール隊(密猟監視活動の研修)
森林パトロール隊(密猟監視活動の研修)

フィリピンワシは世界で最も絶滅の危機にある猛禽の一種です。ミンダナオ島のArakan自治区は重要な繁殖場所ですが、国立保護区に指定されておらず、巣立ち雛が感電や密猟により死亡しています。2年目は2工区1.5kmでの感電防止対策を講じるとともに、地元住民からなる森林パトロール隊をより強化し、密猟と違法な森林伐採の防止を進め、フィリピンの生物多様性に富む森林再生を図ります。

■活動地:フィリピンミンダナオ島
■助成額:221.1万円

(公財)富山市ファミリーパーク公社
ヨウムの野生復帰を想定した繁殖技術の確立
飼育しているヨウム
飼育しているヨウム

ペットとして需要の高いヨウムは、原産地アフリカでは密猟などにより絶滅の危機に瀕しています。また、国内の動物園では繁殖技術は確立していません。2022年に同居を開始した5羽の飼育環境を改善しながら行動解析を行い、中部大学、岐阜大学と連携して系統解析やホルモンの解析を行うことで、群れを構築し、野生復帰を想定した繁殖技術の開発に取り組んでいます。

■活動地:富山県
■助成額:208.2万円

(公社)日本動物園水族館協会
ライチョウの中央アルプスへの再導入および生息域内保全に 貢献するための飼育下保険集団の創出に向けた技術開発
中央アルプスに野生復帰させたライチョウ親子
中央アルプスに野生復帰させたライチョウ親子

(公社)日本動物園水族館協会では、環境省と連携しライチョウの野生復帰技術開発に努めて、2022年に動物園で飼育・繁殖させたライチョウ家族を中央アルプス木曽駒ケ岳に放鳥し、野生復帰させることに成功しました。2023年には、野生で生活するために必須な野生型腸内細菌叢の定着・維持や母鳥による育雛技術の開発を進めていきたいと考えています。

■活動地:関東地方、中部地方
■助成額:207.6万円

日本野鳥の会佐賀県支部
コウノトリ繁殖支援活動
佐賀県白石町でコウノトリ繫殖
佐賀県白石町でコウノトリ繫殖

2022年にコウノトリが九州佐賀白石で初めて営巣し孵化まで至りましたが、残念ながら捕食に遭い失敗しました。2023年は無事に巣立ち出来るよう①巣塔設置(電柱営巣での感電や撤去のリスク回避)②モニタリングの実施(監視小屋を設置し繁殖状況の観察・把握)③見守り(カラスの忌避音やレーザーポインター等での追い払いを交代で実施し捕食を予防)などの活動をします。

■活動地:佐賀県
■助成額:150万円

NPO法人 NRDAアジア
長崎県におけるカンムリウミスズメの生息状況
洋上のカンムリウミスズメ
洋上のカンムリウミスズメ

カンムリウミスズメ総数の半分が繁殖する世界最大の繁殖地宮崎県枇榔島の個体群に何かあれば、その絶滅が危惧されます。当団体の活動拠点の長崎県にある男女群島は繁殖地並びに繁殖地候補と知られていますが、1977年以来調査が行われていません。2023年の繁殖期から、45年間調査されていないハナグリ島を調べると共に、野毋崎沖にて繁殖地発見を目的に洋上調査を実施します。

■活動地:長崎県
■助成額:91.9万円

水鳥研究会
コアジサシの水上営巣地への誘致と越冬地の解明
フロートに下り求愛給餌をするコアジサシ
フロートに下り求愛給餌をするコアジサシ

水鳥研究会は水鳥の保護のための調査研究を全国で行っており、中でもコアジサシの調査に力を注いでいます。2023年は2022年に設置したコアジサシ営巣用のフロートの周辺設備を充実させ、営巣の誘致を成功させたいと思います。この他、2022年に装着したジオロケーター(移動経路を調査するための小型装置)を回収し、コアジサシの越冬地や移動経路の解明に努めていきたいです。

■活動地:東京都、千葉県、茨城県、沖縄県
■助成額:86.2万円

NPO法人 三段峡―太田川流域研究会
ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ
観察会で双眼鏡を初めて使う子ども
観察会で双眼鏡を初めて使う子ども

私たちは広島県の山間部にある渓谷「三段峡」を中心に、流域の生態系を未来へ伝える活動をしています。2022年野鳥観察会を実施する中で、太田川流域でヤマセミ(広島県絶滅危惧種2類)が急速に減少していることがわかりました。本事業では広島県西部で減少しているヤマセミを保護のため繁殖に関する調査研究と、地域を巻き込んだ保全活動に取り組みます。

■活動地:広島県
■助成額:83万円

「地域愛鳥活動助成」部門(10件、179万円)
申請グループ名 所在地
(主活動エリア)
「テーマ」又は「活動概要」及び「活動目的」 助成額
石巻市立北上小学校
野鳥観察クラブ
宮城県 愛鳥活動を通し、野生生物への関心を高め、自然を大切にしようとする気持ちを育てる 20万円
大崎市立田尻小学校
野鳥観察クラブ
宮城県 野鳥の観察 20万円
飯田市立飯田西中学校
愛鳥園芸委員会
長野県 野鳥の観察や生育環境保護を通して、愛鳥精神を高め、自然保護に奉仕する 20万円
新潟市立赤塚中学校
白鳥環境愛護委員会
新潟県 白鳥の保護・観察 20万円
よしかわ
“コウノトリ”ファンクラブ
福井県 コウノトリが住み続ける環境整備 20万円
日本野鳥の会東富士・
静岡県野鳥愛護協会
東富士 キッズ隊
静岡県 野鳥観察を通してふるさと富士山の自然の大切さを知る 18.7万円
静岡県立
静岡城北高等学校
科学部
静岡県 雷鳥の保護活動 10万円
昆陽池公園
野鳥観察グループ
「チームK」
兵庫県 兵庫県伊丹市昆陽池公園における野鳥継続観察と市民への自然の素晴らしさの訴求 20万円
香川県立
香川中央高等学校
自然科学部
香川県 香川中央高校周辺で採集されるペリットからごみ問題を考える 10.3万円
宇部野鳥保護の会 山口県 小野湖のオシドリ保護と環境保全 20万円
石巻市立北上小学校 野鳥観察クラブ
愛鳥活動を通し、野生生物への関心を高め、自然を大切にしようとする気持ちを育てる
校庭で野鳥観察
校庭で野鳥観察

本校の学区は、宮城県石巻市北東部にあり、北上川と追波湾に沿って東西に細長く広がっています。7割以上を山地が占め、国の天然記念物「イヌワシ」の生息する翁倉山(石巻市で一番高い532mの山)があります。2022年度・2023年度と、県環境生活部より、「愛鳥モデル推進校」に設定され、これまでに誘鳥木の植樹(4本)、校舎周辺の野鳥観察、巣箱づくりを行ってきています。

■活動地:宮城県
■助成額:20万円

大崎市立田尻小学校 野鳥観察クラブ
野鳥の観察
野鳥観察会(講師による指導)
野鳥観察会(講師による指導)

当校は冬の渡り鳥の飛来地「蕪栗沼」が近く、野鳥を身近に感じられる学校です。令和4年度から活動を開始し、5月に誘鳥木を植樹。愛鳥への意識を高め、9月の野鳥教室では野鳥に関する基礎的な知識を、11月の野鳥観察会では身近な野鳥の種類について学びました。2月には野鳥を模った木工クラフトを予定しています。助成を受け、今後フィールドスコープを購入し、野鳥の姿をより詳しく観察できる事を児童も楽しみにしています。

■活動地:宮城県
■助成額:20万円

飯田市立飯田西中学校 愛鳥園芸委員会
野鳥の観察や生育環境保護を通して、愛鳥精神を高め、自然保護に奉仕する
探鳥会
探鳥会

飯田市のシンボル、風越山の山麓をフィールドにしています。昭和38年に活動を開始し、地域の方と共に毎年探鳥会を実施しています。長年の観察記録より、見られる野鳥の変化などの情報を参加者間で共有することで、地球環境の変化を実感し、より身近なものとして環境・自然保護に取り組めるよう活動しています。2023年度も年3回の探鳥会を実施する予定です。

■活動地:長野県
■助成額:20万円

新潟市立赤塚中学校 白鳥環境愛護委員会
白鳥の保護・観察
傷病白鳥の世話
傷病白鳥の世話

佐潟は平成8年にラムサール条約登録湿地となり、新潟市は令和4年に湿地自治体認証を受けました。当委員会では、佐潟には飛来する白鳥数を数えたり、地域の関連団体や企業と連携して佐潟クリーン活動を行っています。また、傷病白鳥の保護活動を昭和37年から行っており、現在の「アオ(白鳥名)」は31羽目になります。今後も地道な取組を継続していきたいと考えています。

■活動地:新潟県
■助成額:20万円

よしかわ“コウノトリ”ファンクラブ
コウノトリが住み続ける環境整備
地元小学校でのコウノトリの生態と環境保全学習会
地元小学校でのコウノトリの生態と環境保全学習会

2022年6月に鯖江市で初めてコウノトリのヒナが誕生し巣立ちました。これを機に8月に巣塔のある吉川地区民有志でコウノトリが安定的に生息できる「自然と共生するまちづくり」を推進することを目的にファンクラブを設立しました。小学校での環境学習会、コウノトリと環境テーマの講演会、自然観察会開催などを通じて環境保全活動に継続して取り組んでいきます。

■活動地:福井県
■助成額:20万円

日本野鳥の会東富士・静岡県野鳥愛護協会東富士 キッズ隊
野鳥観察を通してふるさと富士山の自然の大切さを知る
巣箱リース作り
巣箱リース作り

わたしたちのふるさと富士山は、その標高差により、市街地・里山、山地、高山と多様な自然相を見せ、野鳥の種類も数も大変豊かです。日本初の探鳥会も富士山のふもとで行われました。この類まれな自然のすばらしさを、地域の子どもたちと野鳥観察を通して知り、味わい、大切に思い、保全に努めていこうと考えています。2023年は他地域との比較も行いたいと思っています。

■活動地:静岡県
■助成額:18.7万円

静岡県立静岡城北高等学校 科学部
雷鳥の保護活動
静岡市歴史博物館の講座での校外活動
静岡市歴史博物館の講座での校外活動

静岡市内にある本校は、令和3年度より、本市の北に位置する南アルプスに生息する国の特別天然記念物・雷鳥について授業で学び、学んだことをパネル展示して雷鳥保護を訴えてきました。雷鳥は高山植物を餌としていますが、静岡市ではその高山植物保護のため防鹿柵を作るなどの活動を行っており、本校科学部も防鹿柵設置などに協力し、雷鳥保護を広報して保護活動の機運を盛り上げたいと思います。

■活動地:静岡県
■助成額:10万円

昆陽池公園野鳥観察グループ「チームK」
兵庫県伊丹市昆陽池公園における野鳥継続観察と市民への自然の素晴らしさの訴求
タカの渡りの観察
タカの渡りの観察

兵庫県伊丹市の昆陽池公園にて継続的な野鳥観察を実施し、都市公園であっても多くの野鳥が利用していることを、情報ボードや観察会で多くの市民に知っていただいています。2023年は春秋に渡るタカの定点調査を続けることで、繁殖の為に渡って来るタカたちの渡りの様子を広く市民の方々に認知いただき、自然を大切にしてもらえるきっかけになるよう活動を継続します。

■活動地:兵庫県
■助成額:20万円

香川県立 香川中央高等学校 自然科学部
香川中央高校周辺で採集されるペリットからごみ問題を考える
ペリットの解剖
ペリットの解剖

香川中央高校では、2022年から生徒有志が学校周辺で採集される鳥類の不消化排出物ペリットを解剖し、探究活動を行っています。興味、関心から始まった探究活動でしたが、内容物に合成ゴムやプラスチック片などの人工物が含まれていることに気が付きました。ペリットの主の鳥種を調べ、私たちの生活ごみが野鳥に影響を与えないようにするための方法を検討していきたいと考えています。

■活動地:香川県
■助成額:10.3万円

宇部野鳥保護の会
小野湖のオシドリ保護と環境保全
オシドリ観察会
オシドリ観察会

野鳥の保護を通じて郷土の自然環境保全に務めることを目的に、1977年に設立されました。探鳥会や鳥類の生息調査を継続し、近年は全国でも有数のオシドリの越冬地である小野湖の環境保全に取り組んでいます。越冬期に毎月オシドリ観察会を開催し、オシドリを通して野鳥への興味を持ってもらい、保護活動への関心を高める目的で、観察ポイントの整備と案内板の設置等を行います。

■活動地:山口県
■助成額:20万円

「水辺の大型鳥類保護」部門(2件、2,000万円)
団体名 所在地
(主活動エリア)
活動テーマ 助成額
トキの水辺づくり協議会 新潟県 トキと人の共生を目指した水辺づくり~天王川流域を中心とした自然再生の取組~ 800万円
(公財)
日本生態系協会
利根川、吉野川、斐伊川、九頭竜川流域 コウノトリ定着・広域ネットワーク推進プロジェクト 1,200万円
トキの水辺づくり協議会
トキと人の共生を目指した水辺づくり
~天王川流域を中心とした自然再生の取組~
水生生物調査のようす
水生生物調査のようす

当協議会では、野生下のトキが順調に増える中で、豊かな自然を未来へとつなぐため、トキの生息環境整備や野鳥観察環境の整備、体験ツアーや島内外の利害関係者との連携などに取り組んでいます。この活動が、トキと人が共生する水辺づくりに結びつき、将来トキが全国各地で見られるようになるために、参考としてもらえることを目指しています。

■活動地:新潟県
■助成額:800万円

(公財)日本生態系協会
コウノトリ定着・広域ネットワーク推進プロジェクト
無農薬の田んぼの側にいるコウノトリ(越前)
無農薬の田んぼの側にいるコウノトリ(越前)

コウノトリをシンボルに生態系ネットワーク形成に取組む利根川流域(渡良瀬遊水地・野田市・神栖市)、吉野川流域(鳴門市)、斐伊川流域(雲南市・出雲市)、九頭竜川流域(越前市)の4流域・6エリアの活動団体と連携し、安定した繁殖環境の確保、新たな繁殖拠点創出、地域間交流や見守り活動、情報発信等を進め、地域個体群形成や生息を支える社会的環境醸成への寄与を目指します。

■活動地:利根川、吉野川、斐伊川、九頭竜川流域
■助成額:1,200万円